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フクモ陶器

役に立ちませんように


治りませんように

最近、武田鉄矢の「今朝の三枚おろし」に夢中なフクモ陶器。

こんなに面白いラジオ番組を知らなかったなんて、今までの人生何してたんだろう。

そんな鉄矢が紹介していたのがこの本。「治りませんように」。

北海道にある「べてるの家」という共同体のドキュメント。

ここには、全国から精神の病に苦しむ人々が集まって、「当事者」として暮らしたり、働いたり、様々な活動を行っているそうだ。

興味深いのが、「当事者研究」という研究会。集まった人それぞれが、自分の病を自分で研究してその成果を発表し、皆で話し合う。例えば、「私はこれこれこういう状況のときに決まってこのような妄想にとりつかれる。その場合、何何をすると少し良いみたい」といった、自分オリジナルの病に対して、自分オリジナルの対処をする。といった研究。

考えてみれば、人間の身体と心はそれぞれオリジナル。既存の治療で上手く行かないのなら、自分で自分のオーダーメイドの治療を考えてみるというのもひとつの方法であろう。

フクモ陶器的にぐっと来たのは、べてるの家の理念。

「安心してサボれる職場づくり」

「偏見差別大歓迎」

「利益のないところを大切に」

「勝手に治すな自分の病気」

などなど。こいつはきわめてフクモ的だ、、、!

そしてこの本によると、べてるの家の面々が己の妄想や幻聴を発表しあい大賞を決めるという「妄想幻聴大会」なるものまで催されているというのだ、、、!(妄想世界の土産物とかあったらいいかもしれませんね。フクモ陶器の提案。)

逃げても逃げても、それでもしつこく追ってくるなら、むしろ試しに迎えにいってみるか。とでもいうような、心の余裕。

人間の豊かさ、ここにあり。(本によれば、もちろん良いことづくめなわけではないし、問題も起こる。でもそれは、べてるの家以外でも、たぶん世界中のどこでもそうである)

そんなわけで、フクモ陶器もいつもどおり、「役に立ちませんように」と祈ろうっと。

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